ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇(88)が21日、死去した。教皇は2019年には被爆地の広島を訪れ、被爆者ら核兵器廃絶を願う人たちと交流した。
「訃報(ふほう)を聞いて、力が抜けた」。教皇を前に被爆体験を証言した梶本淑子さん(94)はそう話す。
教皇がどんなことを話したか、緊張のあまりまったく覚えていない。ただ、「温かい、神々しいひと」という印象が強く残る。
梶本さんは原爆が投下された80年前、学徒動員先の工場で崩れた建物の下敷きになった。全身を焼かれて逃げまどう人びとの姿を見た。父は1年半後に血を吐いて死に、母は20年間苦しんで亡くなった。
「世界ではいま、核を使うんじゃないかというような争いまでが起きている。こういう時に亡くなられたのは本当につらい」
核兵器廃絶への思いをともに…